契約書はやはり大切!!
社長の皆さんも「契約書」が大切であることは百も承知だと思いますが、少し前の事件で私も「契約書」の重要性を痛切に体験したことがありました。
ある日、顧問会社から「取引先が売掛金を支払ってくれない」との相談を受けました。
なんとその取引先は「当社は工事代金『額』に同意してない。契約書がないことがその証拠だ!」と言っているというのです。
この事件は、最終的に顧問会社の全面勝訴・全額回収という結論で終わったのですが、相手の会社はとにかく徹底的に争い、驚くことに最高裁判所まで含めると合計5個(!)もの裁判をしなければなりませんでした。
こうしたことになってしまった原因は、つまるところ「契約書がなかった」という1点に尽きました。
もちろん、私は契約書の重要性を折に触れアドバイスしていましたから顧問会社も百も承知で、普段は契約書を作成していました。ただ、この件に限っては、契約書の作成まで手が回らなかったのです。
私は、一方でどうしても契約書が作成できないときの対応もアドバイスしていましたので、顧問会社はこのアドバイスは守っていて勝訴できたのですが、一歩間違えば敗訴のリスクもあったこと、また、合計5個もの裁判を戦わなくてはならなかったコストは相当なもので、顧問会社も、私自身も大きな教訓を得た事件になりました。
皆さんも「耳にタコ」ができているかもしれませんが、やはり「契約書の大切さ」は肝に銘じたいところです。
なお、私が開設しておりますサイト 「弁護士による事業再生・再建」には負債問題の対処方法など、いろいろな情報をお知らせしていますので、ご参考にして頂けましたら幸甚です。
「ギリシャ人の物語」(1~3巻、塩野七生著、新潮社)を読んでいます。著者の分析によると、古代のアテネが現代でも通用する「民主政」を生み出したのは、「人権」思想(人間は皆平等)というよりは、意思決定に全員が参加することで、対ペルシャとの戦いにアテネ人全員が一致団結するためだということです。現実論(現実の必要性)からのアプローチが新鮮でした。
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